電子印鑑・電子決裁のことなら
Shachihata Cloud DXコラム 領収書のペーパーレス化とは?メリット・デメリットと注意点を解説
DX COLUMN

領収書のペーパーレス化とは?メリット・デメリットと注意点を解説

公開日:

この記事でわかること

  • 領収書を電子データで保存するための法的根拠と電子帳簿保存法の概要
  • スキャナ保存・電子取引における保存要件と具体的な対応方法
  • ペーパーレス化によるコスト削減・業務効率化など4つのメリット
  • 電子化のデメリットと導入時に考慮すべき課題
  • 領収書を電子保存する2つの実務的な方法とその手順
  • セキュリティ対策や社内ルール整備など、運用時の注意点

近年、電子契約の普及が進むなか、領収書をはじめとする各種帳票類のペーパーレス化が注目を集めています。特に、経費精算や請求処理に欠かせない領収書については、電子帳簿保存法の要件を満たすことで紙での保存が不要となり、企業の業務効率化やコスト削減に大きく寄与します。本記事では、領収書を電子化する際の法的要件やメリット・デメリット、具体的な保存方法、注意点までをわかりやすく解説します。

領収書はペーパーレス化できる?

結論から言えば、領収書はペーパーレス化が可能です。これは、電子帳簿保存法(電帳法)の要件を満たすことで、紙での保管が義務付けられていた領収書も、電子データとして保存できるようになったためです。電子保存には大きく2つの方法があります。

  • スキャナ保存
  • 電子取引の保存

いずれの場合も、法的に定められた保存要件を満たしていることが前提となります。

スキャナ保存の要件

 スキャナ保存とは、紙で受け取った領収書などをスキャンし、電子データとして保存する方式です。ただし、単に画像として保存するだけでは法的に認められません。電子帳簿保存法では、スキャナ保存にあたって次の3つの要件を満たす必要があります。

1. 真実性の確保

データが改ざんされていないことを証明するため、次の対策が必要です。

  • タイムスタンプの付与(受領から最長7営業日以内)
  • 訂正削除履歴が残るシステムの使用
  • 解像度200dpi以上かつカラー保存(赤や青の印影の再現)

2. 可視性の確保

保存されたデータが、人間の目で確認できることが必要です。

  • モニターなどで内容を明瞭に確認できること
  • 帳票の形式や内容を忠実に再現する画像形式(PDF、JPEG、TIFFなど)

3. 検索性の確保

保存されたデータを効率よく検索できるよう、次のような情報を付与します。これらの情報を条件にして検索できる機能を備えた保存システムが必要です。

  • 日付
  • 金額
  • 取引先名

参考:国税庁 電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】

電子取引の要件

 電子取引とは、領収書や請求書などの帳票を電子データでやり取りする取引全般を指します。電子帳簿保存法により、電子で授受したデータは紙に出力せず、データのまま保存することが義務化されています。保存には以下の要件を満たす必要があります。

1. 改ざん防止のための措置

次のいずれかを実施する必要があります。

  • タイムスタンプが付された後に授受する
  • 授受後遅滞なくタイムスタンプを付す
  • 記録の訂正削除の履歴が残るシステムを利用
  • 改ざん防止に関する事務処理規程を備え付ける

2. 可視性の確保

保存したデータが画面等で即座に見られる必要があります。PDFや電子メール、請求書管理システムなどが該当します。プリンタやディスプレイ等の出力環境も整備しておきましょう。

3. 検索性の確保

次の3項目による検索機能が必要です。

  • 日付
  • 金額
  • 取引先名

また、これらを「組み合わせ検索」できる状態であることが求められます。Excel管理や、規則的なファイル名での分類保存も実務的な対応手段とされています。

参考:国税庁 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】Ⅱ 適用要件【基本的事項】

    国税庁 電子取引データの保存方法について(リーフレット)

領収書をペーパーレス化するメリット

領収書のペーパーレス化は、単なる紙の削減にとどまらず、企業のコストや業務効率に大きなメリットをもたらします。電子帳簿保存法の条件を満たせば、領収書は紙で保存せずとも法的に認められ、以下のようなメリットが得られます。

  • コストを削減できる
  • 業務を効率化できる
  • 検索性を向上できる
  • 紛失・劣化を防げる

コストを削減できる

領収書のペーパーレス化は、目に見える形でコスト削減につながります。まず、紙に印刷するための用紙代やインク代、プリンタの保守費用が不要になります。次に、郵送による発行や回収を行っていた場合には、切手代や封筒代、人件費などの郵送関連コストも大幅に削減可能です。

また、印紙税の対象となる紙の領収書を発行しないことにより、200円から大きいものだと数十万円の印紙代も不要となります。たとえば、年間5,000枚の領収書を電子化することで、年間100万円から数百万円以上のコスト削減が実現できるということになります。

業務を効率化できる

 領収書のペーパーレス化は、発行・受領・保管・検索といった事務作業の効率化に大きく貢献します。従来の紙ベースでは、印刷・郵送・ファイリング・検索といった手作業が多く、手間がかかります。

仮に1件あたり15分程度の時間を要していたとします。ペーパーレス化により、発行・送付がメール等で即時に行え、保存や検索もシステム上で完結することで、1件あたり3分程度まで短縮が可能だとします。
その場合、たとえば月に200件の領収書を処理する場合、月40時間、年間480時間の作業時間削減が見込まれ、残業時間の抑制にもつながります。

検索性を向上できる

 領収書を電子化する最大の利点の一つが、瞬時に検索できる利便性です。紙の領収書では、ファイルやバインダーから日付や取引先を手作業で探し出す必要があり、確認に時間がかかっていました。

一方、電子保存された領収書であれば、日付・金額・取引先名といった検索条件を指定するだけで瞬時に該当データを抽出できます。例えば、税務調査や監査対応の場面で「◯月◯日の取引」「◯◯商事との全取引履歴」などをスムーズに提示できる点は大きなメリットです。

さらに、システムによってはCSV出力や一覧表示機能を備えており、証跡確認・会計連携も容易になります。

紛失・劣化を防げる

 紙の領収書は、保管中の紛失・破損・経年劣化といったリスクがあります。保管場所の移動やファイルの整理中に紛れてしまったり、長期間の保存で印字が薄れたり、紙そのものが破れたりすることもあります。こうした状況は、監査や税務調査の際にトラブルを招きかねません。

電子化すれば、これらのリスクを大幅に低減できます。領収書データはサーバーやクラウドに保管され、タイムスタンプ付きの保存や履歴管理により真正性も担保されます。また、自動バックアップや信頼性の高いストレージを利用することで、災害やシステム障害への備えも可能です。

領収書をペーパーレス化するデメリット

領収書の電子化は多くのメリットがある一方で、導入にあたって注意すべき課題も存在します。特に次の2点は、多くの企業が抱えている大きな悩みです。

  • 導入コストがかかる
  • 法改正への対応が必要

導入コストがかかる

領収書のペーパーレス化を進めるには、一定の導入コストがかかります。まず、電子帳簿保存法に対応したシステムの導入費用が発生します。クラウド型やオンプレミス型の選択によって費用感は異なりますが、初期費用だけでなく月額利用料や保守費用も加味する必要があります。

加えて、操作に不慣れな従業員に対する研修費用やマニュアル作成コストも発生します。特に、財務や経理部門だけでなく、営業や管理部門など社内の関係者にも浸透させる必要があります。

一方で、近年は中小企業向けの低コストなクラウドサービスも存在しており、月数千円から利用できるものもあります。自社の取引量に応じて、適切なツールを選定することが重要です。

法改正への対応が必要

電子帳簿保存法に基づく領収書の電子保存は、法的要件を満たしていれば認められますが、時折行われる法改正に応じた対応が必要です。近年の改正では、電子取引の保存義務化(2022年施行・2024年から完全適用)など、実務に大きな影響を及ぼす変更が発生しています。

こうした変更に対応するためには、最新の保存要件を正確にチェック・把握し、システムや運用ルールを柔軟に変えられる体制が必要です。

導入初期には適法だった運用でも、改正に追従できなければ要件違反と判断されるリスクがあります。そのため、導入後も信頼性のある情報源からの最新情報を確認し、システムベンダーとの連携も重視する必要があります。

領収書をペーパーレス化する方法

領収書を電子的に保存するには、電子帳簿保存法で認められた方法に従う必要があります。具体的には、受領形態に応じて次の2つの方法が用いられます。

  • 紙の領収書をスキャナで保存
  • 電子データをそのまま保存

紙の領収書をスキャナで保存

紙で受け取った領収書は、一定の条件を満たせばスキャンして電子保存することができます。この方法は、電子帳簿保存法における「スキャナ保存」に該当し、保存の正当性を確保するためには次のような技術的要件をクリアする必要があります。

  • 解像度と色

スキャナやスマートフォンで撮影する場合、解像度は200dpi以上かつカラー保存が原則です。赤や青の印影なども正確に読み取れることが求められます。

  • 保存形式

PDF、JPEG、TIFFなど、改ざんが困難で可視性に優れた形式での保存が推奨されます。

  • タイムスタンプ

スキャン後7営業日以内に、タイムスタンプを付与する必要があります。もしくは、訂正削除履歴が残るシステムの使用も認められています。

  • 読み取り・記録情報

スキャンと同時に、日付・金額・取引先などの情報を入力し、検索性を確保する必要があります。OCR機能の活用や自動仕訳連携に対応したクラウド会計ソフトの導入も効果的です。

電子データをそのまま保存

メール添付やWebサイト、クラウドサービスなどで受け取った領収書データは、紙に出力せずに電子データのまま保存することが義務化されています(電子取引)。この場合、スキャナ保存とは異なる要件が適用され、以下のような管理が必要です。

  • 改ざん防止の措置

保存するファイルに対しては、タイムスタンプの付与や、訂正削除履歴が残るシステムの使用など、いずれかの方法で真正性を確保する必要があります。また、PDFなど訂正ができない形式のファイルで保存することも有効です。

※保存方法の実務例

  • メールで受領したPDF領収書を、受信日と連動するフォルダへ保管
  • クラウドサービスからダウンロードした領収書を、社内共有ストレージへ分類保管
  • ファイル名に「日付_金額_取引先」などの情報を含め、検索性を担保

  • 検索性の確保

検索可能な状態にしておくために、日付・金額・取引先の3要素による組み合わせ検索ができることが必要です。ファイル名やExcel台帳による管理でも、要件を満たすことが可能です。

領収書をペーパーレス化する際の注意点

領収書の電子化を円滑に進めるには、技術的・制度的な対応だけでなく、社内体制の整備も欠かせません。特に以下の3点は、ペーパーレス化を成功させるうえで重要なチェックポイントです。

  • セキュリティ対策を徹底する
  • 社内ルールを整備し周知する

セキュリティ対策を徹底する

 領収書をペーパーレス化することで、物理的な紛失や盗難のリスクは軽減されますが、同時にサイバーリスクへの備えも必要となります。特に、取引情報や社外機密が含まれる領収書データの管理には、厳格なセキュリティ対策が必要です。

まず、アクセス権限管理を徹底し、必要なユーザーのみに閲覧・編集を許可するようにします。また、保存データの暗号化や通信経路の暗号化も基本的な対策として必須です。さらに、誤削除やシステム障害に備えて定期的なバックアップの運用を行うことも重要です。

クラウドサービスを利用する場合は、提供元のセキュリティ基準やSLA(サービス品質保証)を事前に確認し、情報漏洩や不正アクセスに対する保証体制が整っているかをチェックしましょう。

社内ルールを整備し周知する

 領収書の電子化を効果的に定着させるには、システム導入だけでなく、社内ルールの明文化と周知徹底も重要です。法令上の保存要件を満たすためにも、業務フローや運用手順を明確に定めた社内規程の整備が必要です。

たとえば、「領収書は受領日から◯日以内にスキャン・保存する」「ファイル名には日付・金額・取引先名を含める」といった具体的な運用ルールを定め、業務マニュアルとして文書化します。さらに、定期的に従業員への研修やEラーニングなどを実施し、ルールの浸透と理解度の維持を図ることが重要です。

部門間でルールにばらつきがあると、保存不備や法令違反につながるリスクもあるため、経理部門を中心とした統一的なルール運用が必要です。

まとめ

領収書のペーパーレス化は、コスト削減や業務効率化、紛失リスクの回避といった多くのメリットをもたらします。その一方で、電子帳簿保存法への対応や、社内体制の見直しといった実務的な課題にも対応しなければなりません。

こうした複雑な法令対応や運用の悩みをスムーズに解決したい企業にとって、「Shachihata Cloud(シヤチハタクラウド)」は有力な選択肢です。タイムスタンプの自動付与、検索機能、閲覧権限管理など、電子帳簿保存法の要件を満たす機能が充実しており、初めて電子化に取り組む企業でも安心して導入可能です。

業務のデジタル化を一歩進めるための第一歩として、ぜひ導入をご検討ください。
資料請求はこちらから。

よくある質問

領収書は紙じゃないとダメですか?

いいえ、電子帳簿保存法の要件を満たしていれば、領収書は紙でなくても電子データのまま保存できます。スキャナ保存や電子取引としての保存方法を採用すれば、法的にも有効です。

お問い合わせ 資料請求