この記事でわかること
書類や契約書に記載ミスがあった際、訂正内容の信頼性を示すのに使われる「訂正印」。しかし、「どこに押せばよいのか」「認印で代用できるのか」「そもそも必要なのか」など、意外と知らないルールも多いのが実情です。この記事では、訂正印の役割から正しい押し方、選び方や購入場所までをわかりやすく解説します。
訂正印には、「誰が訂正したかを示す印」としての役割と、「帳簿などに押す小さな確認印」としての役割があります。以下の2つの視点から、訂正印の基礎知識を詳しく解説します。
訂正印には大きく2つの意味があります。1つは契約書などの正式な書類で、記載内容に誤りがあった際、正しく訂正したことと誰が修正したかを示すための「訂正印」です。これは、文言に二重線を引いて訂正し、該当箇所に印を押すことで有効となります。もう1つは、簿記業務などで使われる「小さいサイズの確認印」で、帳簿や伝票への記載ミスに対して簡易的に押す印鑑です。いずれも「信頼性の担保」が目的ですが、用途や重要性に応じて使い分ける必要があります。
訂正印は認印や実印と混同されがちですが、それぞれに明確な役割があります。以下の表をご覧ください。※表の作成お願いします
印鑑の種類 | 主な用途 | 法的効力 | 訂正印としての使用可否 |
実印 | 契約書、公的申請 | 高い | ◯(契約時に使用した場合) |
銀行印 | 銀行口座開設・取引 | 中程度 | △(用途による) |
認印 | 書類の受領・日常文書 | 低い | ◯(社内文書など) |
訂正印 | 書類の修正、簿記 | 用途による | ◎(訂正専用) |
公的書類の場合、契約時に使った実印や認印と同じ印で訂正印を押す必要があります。一方、社内文書などでは小さな訂正印を使うケースも多く、用途によっては専用印鑑を用意することで見た目も整い、実務上の利便性が高まります。
訂正印はただ押せば良いわけではなく、文書形式や訂正内容によって押し方が異なります。以下では基本の押印手順、訂正方法、NG例を解説します。
訂正印の基本的な押し方は、以下の3ステップで行います。
ステップ1:誤記に二重線を引く
間違えた文字には定規を使ってまっすぐな二重線を引きます。1本線や塗りつぶしは無効となる場合があるため避けましょう。
ステップ2:正しい文字を記載する
修正内容を欄外や余白に明記します。小さな修正であれば文字の上部や下部に記載することもあります。
ステップ3:訂正印を押す
訂正箇所の近くに印鑑を押します。縦書きの場合は右側、横書きの場合は上部に押すのが基本です。これにより、訂正が第三者による改ざんではなく、関係者が行ったことを証明できます。
訂正印の使い方は、訂正の内容によって異なります。ここでは3つのケースに分けて解説します。
①文字の修正(誤字や金額の訂正など)
例:契約金額が「100,000円」ではなく「110,000円」の場合
→「100,000円」に二重線を引き、余白に「110,000円に訂正」と記載。訂正箇所の右側(縦書き)または上部(横書き)に印を押します。
②文字の追加(記載漏れの補足)
例:「支払期日:○月○日」に、年が抜けていた場合
→「V」と表記し、該当箇所を追記、押印します。
③文字の削除(不要な文言の抹消)
例:「延滞利息なし」と記載されていたが、削除したい場合
→「延滞利息なし」に二重線を引き、余白に「削除6文字」と記載し、押印します。
訂正印は、書類のレイアウトによって押す場所が異なります。
これは、読み手が修正箇所と訂正印を一目で確認できるようにするためです。また、印鑑が訂正文字にかぶってしまうと、どの文字を訂正したのかわかりづらくなるため、文字列にかからない位置に押すことが原則です。
訂正印は正しく使わないと、訂正自体が無効になる恐れがあります。以下のようなNG例には注意が必要です。
これらを避けるためにも、訂正の基本ルールと押印の位置は正しく理解しておきましょう。
訂正印を選ぶ際は、用途に合わせたサイズ・形・書体の検討が大切です。また、シャチハタは使えるのか?や、認印の代用可否、どこで買えるのかといった実用的なポイントも押さえておきましょう。以下では、選び方から購入先までを詳しく解説します。
訂正印は小さくて目立たない印鑑が好まれますが、見やすさと実用性のバランスを考えることが重要です。以下に、サイズ・形・書体の選び方を比較表にまとめました。
項目 | 種類 | 特徴・選び方のポイント |
サイズ | 直径6mm前後 | 書類欄外に押しやすく、訂正目的に最適 |
形状 | 丸型/小判型 | 丸型はバランスが良く、小判型はスペース節約に便利 |
書体 | 古印体 | 判読性が高く、信頼感を与える |
隷書体 | 落ち着いた印象で公的書類にも適している |
通常、直径5〜6mmの丸型が一般的です。書体は個人名であれば古印体が読みやすく、会社名などには隷書体がよく使われます。使用シーンに応じて選びましょう。
シャチハタ(インク浸透印)は、スタンプのように手軽で便利ですが、訂正印としては注意が必要です。公的な契約書や重要文書では使用できない場合が多いためです。
その理由は以下の通りです。
一方で、社内文書やメモ程度の文書では、シャチハタを使って訂正印の代用にするケースもあります。ただし、会社や取引先のルールに従うことが大前提です。
重要書類には必ずゴム印や彫刻印など、正式な印鑑を使用しましょう。
結論から言えば、認印で訂正印を代用することは可能ですが、注意点があります。
特に契約書などの正式文書では、契約時に使った印鑑と同一のものを訂正時にも使用するのが原則です。異なる印を押してしまうと、「誰が訂正したか」が不明確になり、トラブルの原因になります。
社内文書などであれば、手持ちの認印でも問題ないことが多いですが、書類の種類や相手先のルールに応じて慎重に判断することが重要です。専用の訂正印を用意しておくと、見た目の整合性も保たれ、ビジネス文書での印象も良くなります。
訂正印は以下のような場所で購入できます。価格や納期、品質の違いを表にまとめました。
購入場所 | 特徴・メリット | デメリット |
100円ショップ | 安価で手軽、すぐに入手可能 | 品質が低く、印影が不明瞭な場合あり |
文具店 | 一般的な印鑑をすぐに購入できる | 書体・サイズが限られることも |
はんこ専門店 | 高品質で書体や材質が選べる | 価格はやや高め、納期がかかる場合あり |
ネット通販 | 種類が豊富、デザインの自由度が高い | 商品到着まで数日かかる |
ビジネス用途で長く使いたい場合は、はんこ専門店や信頼できるネット通販をおすすめします。急ぎで必要なときは、文具店や100均でも代用可能ですが、公的書類への使用は慎重に。
訂正印は、書類の訂正を正しく証明するために欠かせない存在です。押し方のルールや使う印鑑の種類を誤ると、訂正自体が無効になるリスクもあります。用途に応じた適切なサイズ・書体の訂正印を選び、契約書や社内文書で正しく活用しましょう。また、認印やシャチハタでの代用には注意が必要です。訂正印の基本を知っておくことで、書類の信頼性を高めることができます。
はい、社内文書などであれば普通の認印で代用可能です。ただし、契約書などでは契約時に使った印鑑と同じものを使用する必要があります。
いいえ、訂正印は二重線そのものには押さず、縦書きなら右横、横書きなら上部に押すのが正しい位置です。文字や線にかからないように注意しましょう。