この記事でわかること
領収書を発行する際、「電子領収書にも収入印紙は必要なのか」と迷う経理担当者の方も多いのではないでしょうか。
原則として、電子データとして発行・交付する電子領収書には収入印紙は不要です。一方、紙の領収書であれば、金額によって印紙税がかかることがあります。
また、電子領収書を発行・受領する際は、電子帳簿保存法に沿った保存方法にも注意しなければなりません。
本記事では、電子領収書に収入印紙が不要な理由や、紙の領収書に印紙税がかかるケース、電子領収書を活用するメリット、保存時のポイントを分かりやすく解説します。

電子領収書は、紙ではなく電子データとして発行・交付される領収書です。印紙税は、印紙税法で定められた「課税文書」を紙で作成し、相手に交付した場合に課されます。そのため、PDFやメール、Web上の発行システムなどで交付される電子領収書は、紙の文書を作成したものではないため、原則として収入印紙は不要です。
一方、紙の領収書を発行する場合は、売上代金に係る受取書として、記載金額が5万円以上になると印紙税が発生します。電子領収書は印紙税を削減できますが、紙で出力して相手に交付する場合などは扱いが変わる可能性があるため、発行方法を確認しておくことが大切です。
紙の領収書にかかる印紙税額の表は下記の通りです。参考にしてください。
| 紙の領収書の記載金額 | 印紙税額 |
| 5万円未満 | 非課税 |
| 5万円以上100万円以下 | 200円 |
| 100万円超200万円以下 | 400円 |
| 200万円超300万円以下 | 600円 |
| 300万円超500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 2,000円 |
参照:国税庁「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書」

電子領収書を活用すると、収入印紙が不要になるだけでなく、発行・送付・保管にかかる手間やコストも削減できます。また、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を進めやすくなり、経費精算や社内承認のスピードアップにもつながります。紙の領収書管理に課題がある企業にとって、電子化は実務負担を減らす有効な方法です。
電子領収書を活用することによる5つのメリットをご紹介します。
電子領収書を活用する大きなメリットは、印紙税の負担を削減できる点です。紙の領収書では、記載金額が5万円以上になると、金額に応じて収入印紙が必要になります。取引金額が大きい場合や、領収書の発行件数が多い事業者では、印紙代だけでも大きなコストになりかねません。
また、紙の領収書を発行する場合は、紙代、インク代、封筒代、郵送費、保管スペースなども発生します。電子領収書であれば、収入印紙が不要になるだけでなく、発行から送付までをデータで完結できるため、関連する事務コストを抑えやすいです。発行枚数や取引金額が多い企業ほど、削減効果を実感できるでしょう。
電子領収書は、電子取引データとして発行・受領されるため、電子帳簿保存法に沿った保存が必要です。現行制度では、電子取引で受け取った領収書などのデータは、原則として電子データのまま保存する必要があります。最初から電子領収書として発行・管理すれば、紙とデータが混在しにくくなり、保存ルールを統一しやすいです。
また、電子帳簿保存法では、改ざん防止などの「真実性」と、必要なデータを確認・検索できる「可視性」が求められます。これらの要件に対応したシステムを使えば、保存方法や検索管理を整えやすくなり、経理担当者の法対応の負担を軽減することが可能です。
電子領収書は、インボイス制度への対応にも有効です。適格請求書発行事業者が領収書を発行する場合、登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとの金額、消費税額など、必要事項を正しく記載する必要があります。電子領収書のテンプレートを整備しておけば、これらの項目を反映した様式を統一しやすくなります。手書きや個別作成に比べて記載漏れを防ぎやすく、仕入税額控除に使える適格な領収書を発行・管理しやすい点もメリットです。受領側にとっても、要件を満たす領収書をデータで確認・保存できるため、経理処理や証憑管理を進めやすくなるでしょう。
電子領収書を活用すれば、発行から送付、保管までをデジタルで管理できます。紙の領収書を印刷・郵送したり、ファイルに保管したりする手間が減るため、経理業務の効率化につながります。電子領収書は、メールやクラウドサービスを使って短時間で発行・共有できるため、取引先への送付もスムーズです。
受領後も、取引日、金額、取引先名などの条件で検索できれば、必要な領収書をすぐに見つけられるでしょう。経費精算や社内承認に領収書を添付する場合も、データのまま共有できるため、確認作業を進めやすくなり、紙の回収や確認に時間がかかっている企業では、処理スピードの向上が期待できます。
電子領収書は、適切な方法で保存・管理すれば、紛失や改ざんのリスクを軽減できます。一方、紙の領収書は、保管中の紛失や、文字が薄くなったり、災害や水濡れで破損したりする可能性があります。また、電子領収書をクラウドストレージや専用システムに保存することで、バックアップを取りやすくなり、保管場所にも困りません。アクセス権限や操作履歴を管理できる仕組みを使えば、誰がいつデータを確認・変更したのかを把握しやすいです。安全に領収書を管理したい企業にとって、電子化は有効な対策と言えるでしょう。

電子領収書は、収入印紙が不要になる一方で、電子帳簿保存法に沿った保存が必要です。特に、メールやクラウドサービスなどの電子取引で受け取った領収書は、紙に印刷して保存するのではなく、電子データのまま保存することが求められます。保存要件もあわせて確認しておきましょう。
電子領収書を電子データのまま発行・交付する場合、収入印紙は原則不要です。一方で、電子領収書を印刷し、紙の正式な領収書として取引先へ手渡す場合は、紙の課税文書として扱われ、金額によって収入印紙が必要になる可能性があります。国税庁によると、売上代金に係る紙の領収書は、記載金額が5万円未満であれば非課税です。なお、電子取引で受け取った領収書は、電子データのまま保存する必要があります。保存期間は、法人は原則7年、繰越欠損金がある事業年度は最長10年、個人事業主は原則5年です。
参照:国税庁「No.7105 金銭又は有価証券の受取書、領収書」
電子領収書を保存する際は、電子帳簿保存法で求められる保存要件を満たす必要があります。主な要件は、真実性の確保と可視性の確保です。真実性の確保とは、データが改ざんされていないことを確認できる状態にすることです。
たとえば、タイムスタンプを付与する、訂正・削除履歴が残るシステムを使う、訂正や削除ができない仕組みで保存する、といった方法があります。可視性の確保とは、必要な領収書をすぐ確認できる状態にすることです。日付、金額、取引先で検索でき、ディスプレイやプリンタで速やかに確認・出力できるようにしておきましょう。
電子取引で受け取った領収書は、電子データのまま保存する必要があります。そのため、電子領収書を印刷し、紙だけを保存する方法は原則として認められません。印刷したものを社内確認用として利用することはできますが、正式な保存データとしては、受け取った電子領収書の原本データを保存しておくことが重要です。
保存時には、ファイル名や保存場所を社内で統一し、日付、金額、取引先などで検索できる状態にしておきます。紙の控えだけに頼ると、税務調査時に必要な電子データを提示できない恐れがあるため注意しましょう。
電子領収書を適切に管理するには、電子帳簿保存法の要件を満たした保存環境を整えることが大切です。Shachihata Cloudは、電子取引ソフトのJIIMA認証を取得しており、法令要件に沿った文書管理を行いやすいサービスです。
タイムスタンプの自動付与や電子署名により、保存した領収書データの非改ざん性や真実性を担保できます。また、長期保存機能やAI-OCR機能を活用すれば、日付、金額、取引先などの情報を検索しやすい形で管理できます。電子領収書の発行・受領後の保存や検索に課題がある企業は、Shachihata Cloudの活用をおすすめします。
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電子領収書は、電子データとして発行・交付する場合、原則として収入印紙は不要です。紙の領収書では金額に応じて印紙税がかかるため、電子領収書を活用すれば印紙代や郵送費、保管コストの削減につながります。一方で、電子取引で受け取った領収書は、電子帳簿保存法に従い、電子データのまま保存する必要があります。紙に印刷して保存するだけでは要件を満たさない点に注意が必要です。電子領収書を適切に運用するには、収入印紙の要否だけでなく、保存要件や検索性、改ざん防止の仕組みも確認することが大切です。自社の発行・受領フローを見直し、必要に応じてシステムを活用しながら、効率的で法令に沿った領収書管理を進めましょう。
