社内の申請・承認業務を効率化するためにワークフローシステムを導入していても、「差し戻し」が多く発生し、かえって手間が増えていると感じている担当者もいるのではないでしょうか。差し戻しとは、承認者が申請内容を承認せず、申請者へ修正を求めて戻すことを指します。記載漏れや入力ミス、添付書類の不足などが主な原因ですが、業務の正確性を保つために一定程度発生するプロセスでもあります。
本記事では、ワークフローにおける差し戻しの意味や、却下・取り下げとの違い、発生しやすいケースについてわかりやすく解説します。

ワークフローにおける差し戻しとは、承認者が申請内容を確認したうえで、そのまま承認せず、修正や追記を求めて申請者へ戻すことを指します。申請書の記載漏れや入力ミス、金額の誤り、添付資料の不足などが主な理由です。差し戻しは申請そのものを否定するものではなく、不備を解消したうえで再度承認フローへ進めるための手続きといえます。
ただし、差し戻しが頻発すると、申請者と承認者の双方に手間が増えたり同じ内容が繰り返されたりするため、業務全体の処理スピードが落ちやすくなります。差し戻しは品質を保つ役割を担う一方で、組織全体の生産性を維持するためには原因を把握し、あらかじめ防げる不備を減らす工夫が必要です。
差し戻しと混同されやすい用語に、却下、取り下げ、取り消しがあります。却下は、申請内容が承認基準や社内規程を満たしていないと判断され、承認されないことを指します。原則として同じ内容では再承認できず、新たに申請しなければなりません。
申請の取り下げ・取り消しとは、申請者自身が書類の不備を見つけた場合などに、申請を取り消す処理のことを意味します。却下の場合とは異なり、必要な部分を修正すれば、同じ申請書で再申請が可能です。
これに対し差し戻しは、修正を前提として申請を戻す点が特徴で、不備を直せば同じ申請書で再度承認手続きに進めます。運用上の位置づけが異なるため、用語の違いを理解しておくことが重要です。

ワークフローにおける差し戻しは、偶発的に起こるものというより、一定のパターンで繰り返される傾向があります。申請内容の誤りだけでなく、添付資料や様式の選択、承認経路の設定ミスなど、複数の要因が関係します。実務で特に多いのは、次のようなケースです。
それぞれのケースについて詳しく解説します。
差し戻しの原因として多いのが、申請内容の記載ミスです。経費精算や購買申請では、金額の入力誤りや勘定科目の選択ミスが起こりやすくなります。また、どこまで詳細に記載すべきかが明確でない場合、説明不足と判断され差し戻されることもあるでしょう。入力項目が多い申請ほど、確認漏れが発生しやすい点に注意が必要です。
申請内容に誤りがなくても、添付資料の不備によって差し戻されるケースは少なくありません。領収書や見積書の添付忘れ、別案件のファイルを誤って添付してしまうといったミスが代表例です。特に差し戻し後の再申請時には、修正箇所以外の添付を更新し忘れるなど、同じ不備が繰り返されることがあるため注意が必要です。
申請の内容ではなく、使用している申請書類自体が誤っている場合も差し戻しの原因となります。旧フォーマットの様式を使っていたり、クラウド上の最新テンプレートではなく、自身のPCに保存していた古いファイルを利用していたりするケースです。様式の違いにより必要項目が不足し、再提出を求められることがあるでしょう。
承認経路の設定ミスも差し戻しにつながります。本来不要な承認者が含まれていたり、決裁者を飛ばしていたりすると、承認プロセスが滞ります。また、差し戻し理由が明確ではなく不十分まま再申請した場合は、再び同じ理由で差し戻されることもあるため、承認ルートの事前確認が重要です。

差し戻しは申請内容の正確性を担保するために必要な工程ですが、同じ申請で何度も発生すると業務全体に影響を及ぼします。申請から承認までの流れが滞り、関係者の対応負担も増えていきます。ワークフローで差し戻しが頻発するデメリットには、以下の2点が考えられます。
2つのデメリットについて詳しく解説します。
重要な申請で差し戻しが繰り返されると、その分だけ承認までの時間が延びます。高額な支出や契約に関わる申請では、判断の遅れが事業計画や取引スケジュールに影響することもあるでしょう。承認工程が止まることで、関連部署の業務も連鎖的に滞りやすくなるため注意が必要です。
差し戻しのたびに再修正や再提出が必要となり、申請者・承認者双方の対応工数が増加する点もデメリットです。締め日直前に差し戻しが集中すると、確認作業が一時的に増え、業務が過密になることもあります。本来不要だった作業が積み重なり、全体の生産性低下につながります。

差し戻しは業務品質を保つために必要な工程ですが、発生頻度が高まると業務全体の効率を下げてしまいます。入力ミスや判断のばらつきを防ぐ仕組みを整えることで、差し戻しは一定程度抑えることが可能です。具体的には、次のような対策が有効です。
差し戻しを減らすには、申請前の確認項目を明確にし、誰が見ても同じ基準で確認できる状態をつくることが重要です。入力必須項目の設定や、金額と勘定科目の整合性チェック、添付資料の有無を自動判定する仕組みを取り入れることで、単純な入力漏れや記載ミスを防ぎやすくなります。申請前チェックを仕組みとして組み込めば、差し戻しそのものを未然に防ぐ効果が期待できるでしょう。さらに、チェック内容を定期的に見直すことも運用の形骸化を防ぐために重要です
差し戻しが多い場合、承認者ごとに確認基準が異なっている可能性があります。何を確認し、どの水準まで記載を求めるのかを明文化し、関係者間で共有することが大切なポイントです。判断基準が統一されれば、申請者も必要な情報を事前に把握できるようになり、不要な差し戻しを減らせます。承認ルールの文書化により、担当者変更時の引き継ぎも円滑になります。また、差し戻し理由を具体的に記録しておくと改善点の共有にもつながるでしょう。

差し戻しを減らすための対策として、申請前チェックや承認ルールの整理は有効ですが、運用を人手だけに頼ると限界があります。ワークフローシステムを導入すれば、申請から承認、決裁までの流れを一元管理でき、入力漏れや承認経路のミスを早い段階で防ぎやすくなります。属人的な運用を見直し、仕組みとして差し戻しを抑制したい場合には、システム導入も現実的な選択肢といえるでしょう。

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