電子印鑑・電子決裁のことなら

証跡は残す。でも、手間は残さない。
段階的な電子化で実現した、厳格な管理と業務効率化の両立

公開日|2026.06.24
(左)事務局主任 島田様 (右)事務局長 佐藤様
公益社団法人 北区シルバー人材センターは、東京都北区で60歳以上の高齢者の就労支援を担い、約2,000名の会員と発注者をつなぐ事業を展開しています。約20名の職員が日々業務にあたる同センターでは、事務局内の連絡や出張命令に伴う旅費申請など、業務の多くが紙で行われてきました。 そのため、情報の不透明さや、給与担当者が膨大な手書き書類を一つひとつ確認する手間が大きな負担となっており、「正確性の担保」と「業務効率」の両立が組織的な課題となっていました。 そこで、他センターへの視察をきっかけにShachihata Cloudを導入。稟議の電子化や文書管理を視野に、まずは掲示板機能による情報共有の”見える化”を実現し、続いて旅費申請の”電子化”へと段階的に踏み出しました。
BEFORE 導入前の課題:情報の不透明さと、アナログゆえの膨大な事務負担
  • ・手書きの旅費申請を一件ずつ確認し、経路や金額確認に時間を要していた
  • ・紙の伝言で「伝えたつもり」「聞いていない」の認識違いのリスクがあった
  • ・書類の滞留状況が分からず、進捗確認に手間がかかっていた
  • ・承認後の書類をスキャンしてPDF化し、顧問の社会保険労務士へ提出していた
POINT 導入の決め手:視察で見えた「これならできる」という安心感
  • ・デジタル化を推進している他センターを調べる中で名取市シルバー人材センターの取り組みを知り、視察を通じて運用イメージを具体化できた。
  • ・内部の規定変更が不要で、掲示板機能からすぐに運用できると感じられた
  • ・導入しやすい料金設定で、費用面の負担が少なかった
AFTER 導入後の効果:確認作業の負担軽減と、情報共有の円滑化を実現
  • ・掲示板機能による情報共有で、伝達漏れや認識違いを防止
  • ・旅費申請の経路確認や金額計算を自動化し、給与担当者の確認工数を削減
  • ・申請状況を可視化できるようになり、進捗確認の手間を軽減
  • ・スキャン作業をなくし、社会保険労務士との書類やり取りを効率化
幅広い年齢層の職員が働く現場で、いかにして混乱なくシステムを定着させたのか。今回は、事務局を統括する事務局長の佐藤様と、経理担当として導入を牽引した事務局主任の島田様に、導入の背景から定着に向けた工夫、現在の活用状況、そして今後の展望まで詳しくお話を伺いました。
Index

職員を守るために必要だった証跡管理。その裏側で増えていた確認業務

「これならすぐできる」視察で実感した、現場に根付くデジタル化

事務負担を減らし、情報共有を変える。導入後に生まれた2つの効果

定着の鍵は、事前共有と段階的な導入。現場が迷わない仕組みづくり

目指すのは「一度作った資産を、作り直さずに使い切る」仕組み

職員を守るために必要だった証跡管理。その裏側で増えていた確認業務

Q:Shachihata Cloud を導入される前、事務局内では具体的にどのような課題を抱えていましたか?

島田様:
普段の業務は紙中心で、情報共有や各種申請・決裁も紙で運用していました。特に決裁書類は印刷して回覧していたため、担当者から複数の承認者を経て事務局長へ届くまでに時間がかかることもあり、どこで止まっているのか把握しづらい状況でした。

佐藤事務局長:
事務局内でのコミュニケーションにも課題がありました。「伝えたつもり」「聞いていない」という問題がどうしても発生していました。外出する職員が多く、電話の伝言を紙のメモで残していましたが、メモの紛失など伝達漏れのリスクは感じていました。

Q:特に旅費申請の手続きが大きな負担になっていたとお伺いしました。

島田様:
従来は、Excelのフォーマットを印刷して、出張の前に経路を手書きし、事務局長の承認を得ていました。それを月初に給与担当が回収してチェックするのですが、この確認作業がとにかく手間でした。職員が記載した経路が問題ないか、金額が正しいかを、インターネットで一個一個検索して調べる必要がありました。

佐藤事務局長:
給与担当者の苦労は大きく二つありました。まず、申請書の書き方や経路が人によってバラバラで、それを一つひとつ読み解く必要がありました。加えて、都内ということもありJRや私鉄など経路が非常に複雑で、最適な経路になっているかや、支給している定期券との重なりがないかを個別に確認していました。週に複数回出張する職員もいるため、申請件数が増えるほど確認業務の負荷も高くなっていました。

島田様:
あとは、誰が旅費申請をしているのかが可視化されていないので、給与担当が一人ひとりに「今月は申請ないですか?」と、確認する必要がありました。

Q:旅費申請の際、徒歩の区間まで詳細に記載する必要があったと伺いました。なぜそこまで厳格な管理が求められるのでしょうか?

佐藤事務局長:
これは単なる費用精算の手続きではなく、管理者が職員に指示を出す「旅行命令」の証跡を目的としており、その結果として精算処理に活用しています。経路の途中で万が一事故が発生した場合、労災の認定に関わりますから、たとえ徒歩や自転車であっても正確に残すことは、職員が不利益を被らないための大切な手続きです。

「これならすぐできる」視察で実感した、現場に根付くデジタル化

Q:Shahchihata Cloudを知ったきっかけを教えてください。

島田様:
きっかけは、宮城県の名取市シルバー人材センターへの視察です。もともとは、シルバー人材センターのシステムを運用する会社の営業ネットワークを通じて、デジタル化に積極的に取り組むセンターを探していました。その中で、名取市シルバー人材センターのホームページに掲載された事業計画に電子化の取り組みが記載されているのを見つけ、視察の機会をいただけるようお願いしました。

現地では、実際にShachihata Cloudが活用されており、起案文書などがすでにデジタル化され、整然と管理されている様子を確認しました。中でも印象的だったのは「掲示板機能」の運用です。デジタルで証跡が残るだけでなく、伝言に対してレスポンスまで残せる点が非常に画期的だと感じました。 また、起案文書などの電子化には内部規定の整備が必要ですが、掲示板なら特別に規定を変えなくても運用を始められます。 「これはうちでもすぐに導入できる」と確信し、事務局に戻ってすぐに事務局長へ提案しました。

Q:最終的な導入の決め手は何だったのでしょうか。

佐藤事務局長:
まず、導入費用がリーズナブルだったことが大きな決め手でした。また、島田から報告を受けた「伝達の行き違い」の解消に直結する点も重要でした。事務局内での情報の行き違いは避けにくい課題でしたので、すぐにでも必要な機能だと感じました。

導入にあたっては、事前に職員会議で島田から視察内容を共有してもらい、「なぜ導入するのか」「旅費申請や稟議の電子化も視野に入れていること」まで説明してもらいました。あらかじめ目的や進め方を共有できていたことで、現場での混乱もほとんどなくスムーズにスタートすることができました。

事務負担を減らし、情報共有を変える。導入後に生まれた2つの効果

導入後、現場では「事務作業の負担軽減」と「情報共有の円滑化」という2つの変化が見られました。

Q:導入後、業務の進め方はどのように変わりましたか?

島田 様:
一番大きな変化は、給与担当者の負担軽減です。これまでは手書きの書類を一件ずつ確認した後、さらにそれをスキャンしてPDF化し、顧問の社会保険労務士へメールで送っていました。今はShahchihata Cloudから出力すれば自動的にPDF化され、経路の確認も計算も自動です。確認作業や書類のスキャン・送付にかかる手間が大幅に削減されたことで、給与担当者からも「だいぶ楽になった」という声が上がっています。

申請者側で大きく変わったのは、手書き作業が一切なくなったことです。以前は出張前にExcelを印刷し、経路や金額を一つひとつ記入していました。書き損じれば訂正印や書き直しが必要で手間でしたが、導入後は経路検索や計算が自動化されました。自分で調べる必要がなくなった分、申請にかかる時間と負担が大幅に抑えられています。
また、掲示板によって来客対応の伝言などを全員で共有できるようになりました。直接関わっていない職員も「後で自分が関わるかもしれない案件」を自然に把握できます。組織全体の状況が可視化され、業務がより円滑に進むようになりました。

佐藤事務局長: 掲示板機能は、想定以上に早く現場へ定着しました。誰が確認したかを「既読フラグ」として可視化できるため、未読のまま放置するとフラグが積み重なるという心理が自然と働き、閲覧を促す仕組みになっています。 最初は皆さん「どんなことができるのか?」と戸惑う声もありましたが、使いやすい掲示板から利用を始めたことで、わずか2週間ほどで軌道に乗りました。情報が一人ひとりにしっかり伝わる環境になり、組織としての情報共有基盤が大きく前進したと実感しています。

定着の鍵は、事前共有と段階的な導入。現場が迷わない仕組みづくり

Q:では、こうした効果を生むまでに、現場ではどのような工夫があったのでしょうか

島田様:
誰でも理解できるように、基本的には画面のスクリーンショットをベースにした”写真でわかるマニュアル”をExcelで作成しました。文言は必要最低限に絞り、目次からハイパーリンクで各機能のページへ遷移できるように工夫しています。

導入の進め方も、いきなり全業務を変えるのではなく、まずは掲示板機能から着手しました。2026年2月に運用を開始し、約2週間で定着。その後、2026年4月には旅費申請へと活用範囲を拡大しました。段階的に導入したことで、職員も自然に馴染めたのだと思います。 今後の方向性を事前に職員間で共有できていれば、慣れるまでのミスは生じても、職場全体の混乱は起きないと思います。導入するかしないか、その意思決定が一番大変。そこに至る過程で十分な情報共有ができていれば、あとは慣れの問題だと思います。

目指すのは「一度作った資産を、作り直さずに使い切る」仕組み

Q:デジタル活用を通じて、最終的にどのような業務の在り方を目指されていますか?

佐藤事務局長:
DXを推進する最大の目的は、一人が作ったデータ(資産)を、何度も別の人が作り直すことなく最後まで一貫して活用できる仕組みを構築することです。現状では紙の保存期間もルールがバラバラだったり、職員の異動や交代の際に「どこに何が保管されているのか」「なぜこの運用になっているのか」が分からず、引継ぎに苦労することもあります 。将来にわたって業務が統一された形でしっかりと継続できる仕組みを作りたい。そのためには、一度入力したデータをリソースとして活用し続けられる電子化が不可欠だと考えています。

島田様:
現在は旅費申請と掲示板の活用が中心ですが、今後は稟議の電子化や文書管理へと対象を広げていく計画です。その準備として、現在は内部規定の見直しを進めています。現行の規定は電子化を前提としていないため、まずはデジタル運用に対応できる形へ整備し、全体のビジョンを明確にした上で仮運用を行う想定です。そのプロセスを経て、来年度初めには稟議の電子化を本格的に開始したいと事務局長とも話しています。

Q:この取り組みについて、 他のセンターへ共有される機会はありましたか?

佐藤事務局長:
私は年に数回、都内の事務局長会議に出席しています。そういった場でShachihata Cloudの活用についてお伝えすると、やはり皆さん興味をお持ちになりますね。旅費申請を紙で運用しているセンターはかなり多いですし、確認業務の負担軽減や情報共有の円滑化は、多くのセンターが抱える共通の課題です。まずは掲示板機能のような、誰でもすぐに使いこなせる機能から紹介していきたいと思っています。

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