電子印鑑・電子決裁のことなら

国立大学のDXを加速させる「電子決裁」の力。
承認状況の可視化、意思決定のスピードアップ、省スペース化による新しい働き方の実現

公開日|2026.04.07
デジタル・キャンパス推進室
左:経営企画課係長 田嶋 学様 右:技術部技術専門職員 三林 光様
国立大学法人室蘭工業大学は、北海道室蘭市に位置する理工系単科大学です。「機動的な大学運営」を強みとする同大学では、令和4年度に「デジタルキャンパス推進室」を設置し、全学的なDXを推進しています。その中核を担う施策として、紙ベースだった決裁業務をShachihata Cloudへ移行。導入からわずか数ヶ月で決裁スピードが向上したほか、承認状況の可視化と再通知機能により承認停滞や確認依頼への心理的負担も解消されました。さらに、壁一面の書棚を占拠していた膨大な紙資料の削減が進んだことで、フリーアドレス化など新しい働き方(ABW:アクティブ・ベースド・ワーキング) を見据えたオフィス改革への道筋も描けるようになるなど、劇的な変化をもたらしています。
BEFORE 導入前の課題:承認の「停滞」と「不透明さ」が業務のボトルネックに
  • ・稟議書が今どこにあるか分からず、確認のために足を運んで探す必要があった
  • ・出張等による停滞を考慮し、常に逆算して早めに回覧を始めなければならない不安があった
  • ・壁一面を埋め尽くす大量のバインダーがオフィスのスペースを圧迫
  • ・前年度の資料を探す際、目次を一枚ずつ確認するアナログな検索作業が発生
POINT 導入の決め手:紙から電子への「大きな変化」を、いかに小さく感じさせるか
  • ・「ハンコを押す」という従来の感覚が残る操作性
  • ・役員から若手職員まで直感的に使えるシンプルさ
  • ・起案者が部署ごとの多様な承認ルートを柔軟に設定可能
  • ・学内のガイドラインに基づき、情報管理や事業者信頼性など厳格な要件をクリア
AFTER 導入後の効果:決裁の迅速化と、新たな働き方を支えるオフィス改革
  • ・「再通知機能」により、心理的負担を感じることなくスマートに確認依頼が可能に
  • ・承認状況が可視化され、進捗が滞っている箇所を一目で把握できる安心感
  • ・保管スペースの削減により、オフィス改革(ABW・フリーアドレス等)が進展
今回は、室蘭工業大学 デジタル・キャンパス推進室の田嶋様、三林様、泉様に、導入の経緯や現在の運用状況についてお話を伺いました。全学展開に向けた内部調整やシステム構築を主導した田嶋様と三林様、事務の実務を担い日々システムを利用している泉様。それぞれの視点から、電子化によって業務がどう変わったのか、現場の状況を交えて具体的に語っていただきました。
Index

見えない決裁の進捗、壁一面を埋める書類……アナログ運用の限界

「ハンコ」の見た目を変えず、現場の裁量を残す。全学導入を成功させるための「納得感」

国立大学の厳格な規定に対応。文書管理を支える運用の工夫とは

承認のスピードアップと可視化。紙の削減が「新しい働き方」への後押しに

全学的な利用展開と、国立大学におけるDX推進に向けた今後のビジョン

見えない決裁の進捗、壁一面を埋める書類……アナログ運用の限界

Q:Shachihata Cloudを導入される前、具体的にどのような課題を抱えていましたか?

田嶋様:
一番の課題は、稟議書を回した時に「承認状態が分からない」ことでした。
紙の稟議書では、今それが誰の手元にあり、どこまで進んでいるのかが一切見えません。
「書類が戻ってこない」と思えば、秘書のところまで足を運んで書類の確認をするようなこともありました。特に承認者の出張などが重なると決裁は完全に止まってしまいます。余裕のない案件では、担当者が1件ずつ書類を手で持って各部署を回り、「ハンコをお願いします」とお願いして回ることもありました。

Q:承認にかかる時間や、運用の手間についてはどうでしたか?

田嶋様:
特に重要な意思決定、例えば文部科学省への回答文書といった遅れられない案件ほど、学長や理事まで決裁を回す必要があります。しかし、承認状況が見えない不安は大きく、以前は期限の2週間前には回し始めないと間に合うかどうか安心できませんでした。余裕を持って回しても、役員の出張や打ち合わせが重なれば、締め切りギリギリになってしまうこともありました。

泉様:
利用者側の視点では、リマインド(確認依頼)のしにくさも負担の一つでした。相手が多忙な役職者であればあるほど、「早く見てください」とは言い出しにくいものです。紙だと、相手が書類を「まだ見ていない」のか、それとも「内容を吟味している」のかすら判別できません。この不透明さが、事務担当者にとって心理的な負担となる場面もありました。

Q:オフィス環境や書類の保管についても、課題があったのでしょうか?

田嶋様:
各課の壁一面には移動式の巨大な書棚が並び、大量のバインダーがオフィスを圧迫していました。これが、私たちが目指している新しい働き方(ABW:アクティブ・ベースド・ワーキング)の大きな壁になっていました。フリーアドレス化や個別ブースの設置を検討しても、紙の保管スペースのせいで物理的に場所が確保できないのです。 また、事務職員は前年度の資料を参考にすることが多いため、仕事に取り掛かる際はまず書棚からファイルを探し出し、目次を一枚ずつ確認する作業から始まります。この検索作業は1回あたり数分ですが、全職員分が積み重なることで、膨大な時間ロスになっていました。

「ハンコ」の見た目を変えず、現場の裁量を残す。全学導入を成功させるための「納得感」

Q:多くのシステムがある中で、どのようにサービスを選定されたのでしょうか?

田嶋様:
まずWebサイト等で電子決裁システムやワークフローを調査し、7〜8社を選定しました。その後、他大学での導入事例なども踏まえて候補を絞り込みました。さらに、実際に導入している大学の担当者へ直接電話をして、運用後の使い勝手を詳しくヒアリングしました。そうしたプロセスを経て、最終的に2社まで絞り込みました。

Q:最終選定にあたっては、どのような検証を行いましたか?

田嶋様:
2社それぞれについて、約1か月半の期間を設けてトライアルを実施しました。その際、経理課や学務課、総務広報課といったすべての事務部署から、実務担当の代表者を1人以上選出し、検討部会を立ち上げました。この部会で、「自分たちの課のローカルルールがシステム上で再現できるか」「日々の業務がスムーズに回るか」を徹底的に検証しました。比較したもう一社は非常に多機能なシステムでしたが、検討部会のメンバーが実際に触ってみた結果、「よりシンプルで直感的に分かりやすいShachihata Cloudがいい」という意見が大多数を占めました。この現場の納得感が、最終的な決定打となりました。

※無料トライアル期間は15日間となっております。あらかじめご了承ください。

Q:機能の多さよりも、使いやすさを重要視されたのですね。

田嶋様:
導入のハードルを極限まで下げたいという思いがありました。 今回の電子決裁は、例えば生成AIのように「使いたい人だけが使ってください」というツールとは性質が異なります。学長から課長、若い職員まで、全員が一律で使わないと組織として成り立たないシステムです。だからこそ、全員が迷わず使える「シンプルさ」を最優先に考えました。 また、「シヤチハタ」という名前は誰もが知っており、名前を聞いただけで「電子化しても同じようにハンコが使える」という安心感を与えられたのは、全学的な理解を得る上で大きなプラスでした。

Q:やはり「印影(ハンコ)」の見た目が残ることも、導入をスムーズにする上で重要だったのでしょうか?

田嶋様:
間違いなく、ハードルを下げてくれた要因だと思います。 導入前に他大学のDX担当者と情報交換をしましたが、たとえ別システムを導入している大学であっても、やはり「印影を残す」という運用をしているところが多かったです。 長年培われた「紙に押印する」という文化が根強い中で、紙から電子へ移行するという大きな変化に際し、いきなり押印なしにするのは心理的に耐えられないだろうという懸念がありました。まずは今までと変わらない見た目、変わらない操作方法で始める。この「大きな変化をいかに小さく感じさせるか」という点において、印影が残るShachihata Cloudは本学にとって納得感のある選択でした。

Q:部署ごとの独自のルールへの対応で苦労した点はありますか?

田嶋様:
10ある部署それぞれに、「不在時の決裁のつなぎ方」などのローカルルールがありました。システム化にあたっては全部署にヒアリングを行い、各ローカルルールが全体最適の観点でどこまで整理可能かを、丁寧にすり合わせていきました。そうした中で、起案者がその都度承認ルートを設定できる柔軟な仕組みがあったことで、各部署の運用を大きく変えすぎることなく対応できたと感じています。結果として、各部署の実情に配慮しながら電子化を進めることができました。

Q:国立大学法人として、クラウドサービス(SaaS)を導入する際のセキュリティ審査はどうクリアされましたか?

田嶋様:
本学では導入の際、学内で定めた「クラウドサービス利用ガイドライン」に基づく独自のチェックリストを用いて事前確認・評価を行っています。情報の重要度整理、学内規程との整合性、契約条件やデータ管理方法、事業者の第三者認証の有無等を体系的に確認し、その結果を踏まえて利用範囲や運用ルールを明確化した上で判断しています。

国立大学の厳格な規定に対応。文書管理を支える運用の工夫とは

Q:実際に、Shachihata Cloudで承認された後の文書管理はどのように行っていますか?

田嶋様:
本学では、Shachihata Cloudで承認が完了した文書は、すべて「長期保存キャビネット」に保存する運用にしています。長期保存キャビネットは一度保存すると削除できない設定にしており、改ざんや不正ができない状態を担保しています。また、各課の職員しかアクセスできないよう、個別に権限を設定して管理しています。

Q:国立大学には厳格な保存年限のルールがあるかと思いますが、どのように対応されていますか?

田嶋様:
国立大学の文書管理規定は国から示されており、作成した日付から何年保存し、いつ廃棄・移管するかといったルールが事細かに決まっています。現在は、フォルダ名に「〇年度削除」といった情報を付与することで、一目で廃棄時期が分かるように工夫しています。

Q:長期的なアーカイブについては、どのようなルールを設けていますか?

田嶋様:
本学独自のルールとして、Shachihata Cloud(長期保存キャビネット)に保管する文書は本年度+5年間の計6年度分までと決めており、導入当初にその旨を取り決めました。それを超える分については、別ストレージ(Box)へ移管して一元管理を行うというルールにしています。今後は、オプション機能などを使って、 Boxへ直接保存できるような連携についても、令和8年度以降に検討していきたいと考えています。

承認のスピードアップと可視化。紙の削減が「新しい働き方」への後押しに

Q:導入後、現場での変化や反応はいかがでしょうか?

三林様:
管理者としては、導入後に質問が殺到するのではないかと構えていたのですが、驚くほど少なかったです。システムが分かりやすいため、皆すんなりと使い始められたのではないかと思います。

田嶋様:
本学には各課に、職員で構成する「デジタル・キャンパス推進アンバサダー」がいますが、利用状況を確認した際、使い勝手に関するネガティブな意見がほとんど出なかったんです。これまでのシステム導入では何かしら課題・不便が出るものでしたが、ここまで好意的に受け入れられたのは初めてかもしれません。トライアルを通じて「紙よりも電子決裁の方が劇的に業務がスムーズになる」という実感が浸透し、本格稼働を前に「一刻も早く使い始めたい」という期待の声が寄せられていました。

Q:導入後、決裁のスピードや業務の進め方に変化はありましたか?

田嶋様:
紙で運用していた頃と比べると、決裁のスピードは全体的に向上したと感じています。

泉様:
利用者としては、例えば稟議書1枚とA4 2枚ぐらいの簡単な決裁を回すスピードが上がったと感じています。また、一番便利なのは「再通知機能」です。開封状況が見えるようになり、必要に応じて再通知を送ることで心理的な安心感につながっています。Microsoft Teamsで「決裁を回しました」と送るなど、相手を急かしすぎずにスマートに確認依頼ができるようになりました。

Q:書類の探しやすさや、保管スペースについてはいかがですか?

泉様:
以前は分厚いバインダーから一枚ずつめくって探していましたが、今はキーワード検索で容易に見つけられるようになりました。目次が整備されていない過去の資料を探す手間がなくなったのは、非常に大きな効率化です。

田嶋様:
スペース面でも大きな効果を感じています。年度末を迎えるにあたり、これまで当たり前だったバインダーを新しく作る作業がなくなります。書棚が空いていくことで、フリーアドレス化やミーティングボックスの設置といったオフィス改革が、より現実的なものとして進められるようになりました。

全学的な利用展開と、国立大学におけるDX推進に向けた今後のビジョン

Q:今後の利用拡大や、展開していきたい業務について教えてください。

田嶋様:
今後は、まず導入部署での利用率をさらに高めていきたいと考えています。年度の変わり目で紙から電子へ完全に切り替えたいというニーズもあり、4月からの本格導入に向けた相談も増えています。 将来的には、経理部門等の伝票に関連する業務の電子化にも挑戦したいと考えています。現在は正確性を期すために緻密な確認作業を要する工程も多く残っていますが、こうした領域をいかにデジタルで効率化できるか。これが実現できれば、国立大学の中でも先駆的な事例になると考えています。

Q:文書管理やテクノロジー活用について、今後の展望を教えてください。

田嶋様:
決裁文書に適切なラベル(メタデータ)を付与し、それをもとに管理や削除までが自動化される仕組みが理想です。また、今後は生成AIの活用も重要なテーマになると考えています。蓄積されたデータを生成AIが参照し、文書の起案や検索をサポートできるようになれば、その先の新しい働き方にもつながっていくのではないかと考えています。

Q:学生主体のデジタル化や、学生とのDXの取り組みについてはいかがでしょうか?

泉様:
本学には、学生が主体となって大学のデジタル化を考えるデジタル・キャンパス推進スチューデントアンバサダー「M-COINS(エムコインズ)」という制度があります。今後もキャンパス全体のDXを進める上で、学生の意見も積極的に取り入れ、学生の視点を大切にしたデジタル活用を推進していきたいと考えています。

Q:最後に、導入を検討している方々へメッセージをお願いします。

田嶋様:
紙の決裁を電子化する第一歩として、Shachihata Cloudは非常に導入しやすいサービスです。まずは身近な稟議から始め、ゆくゆくは経理業務への展開なども視野に入れられるため、段階的にデジタル化を進めていきたい組織に適していると感じています。

ただ、全学的なシステム導入を成功させるには、機能選び以上に進め方が何より重要になります。実は本学でも過去、主導部署だけで突き進んでしまい、上手くいかなかった苦い経験があります。他大学のDX担当者からもよく聞くのですが、旗振り役が一方的に「導入するぞ」と決めて、後から「よろ しくお願いします」と持っていくだけでは、現場からは「そんなの知らない」「うちは独自のルールがある」と摩擦が生じ、結局頓挫してしまうケースが本当に多いようです。

導入当初から各部署の担当者に参加してもらい、検討内容を持ち帰って懸念点を出してもらう。この丁寧なコミュニケーションを積み重ねることが、スムーズな導入において一番重要なポイントだと考えています。

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